【夢実現インタビュー】矢嶋美由希さん〜マインドマップ&メンタルコーチ
2017/07/06
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「マインドマップ」ってご存知でしょうか?
脳の機能や心理学を研究したトニーブザン氏が提唱する思考法・発想法で、 「頭の中で起こっていること」をビジュアル化するツールと言われています。
紙の真ん中にキーワードやイメージを書き、そこから放射状に自由な曲線で枝を描き、そこにキーワードやイメージを書き足していくのですが、思考を整理したり、発想を豊かにしたり、記憶力を高めるために、自由な想像力と連想を駆使して描くのがミソです。
これは脳細胞のネットワーク(構造)ともあっているだけでなく、「地頭が良くなる」とか「記憶に定着しやすい」と言われていて、クリエイターのアイデア発想法としてはもちろん、ビジネスマンからご家庭でのコミュニケーションツールとしても隠れた人気があります。
このマインドマップのインストラクターとして長く活躍し、今はコーチングのプロとしてもご活動中の矢嶋美由希さんをお迎えしました。
実は本家本元のトニーブザン氏の本よりも売れたという『ふだん使いのマインドマップ』というベストセラー本の著者でもあり、沖縄から北海道まで講演した実績もお持ちです。
「どうすれば夢が叶うのか」
「どうすれば、課題を克服できるのか」
そんな観点からいろいろお話を伺いました!
岡山:矢嶋さんのご著書『ふだん使いのマインドマップ』は2015年上半期のAmazonランキングで総合9位というベストセラーになったそうですね!
矢嶋:はい。超絶ありがたいです。
岡山:もう何刷りですか?
矢嶋:6刷りくらいですかね。
岡山:そうなんですね。しかも、出版したのが2013年なので、ほんとにロングセラーに。
矢嶋:そうなんですよ。「ふだん使い」っていうキーワードが刺さったんだと思っていて。挫折した人とか、難しくってやらずに尻込みしていた人が、私の本をきっかけにマインドマップに取り組んでくれたのかな?って。
岡山:それこそ買い物リストから、ちょっとしたメモまで。
矢嶋:そうです。子どもがちょっと作文で使うとか、買い物の買い忘れを防ぐとか、別にビジネスでなくっても、日常生活の中に入り込めるツールだってことが分かったのがよかったのかなぁと。
岡山:それこそランチ決めから、旅行プランから、コミュニケーションなどなど。
矢嶋:「どこ行きたい?」って家族で話すと、例えばお子さんが「あそこ行きたかったのに!」とか、「リゾートでのんびりしたい」、「あっちこっち観光したい」とか夫婦でも分かれるけど、どういうふうに過ごしたいのか、前提を共有できると不満がなくなるんです。
目次
●元祖トニーブザンから直接習ったマインドマップ
岡山:トニーブザンが来日時に、直接習ったんですね?
矢嶋:トニーが2006年に来たとき、第1期生として受けています。そして、2008年の再来日も、新認定というかたちで受けたのが、2011年。
岡山:じゃあ、都合3回も。
矢嶋:はい。それから、インストラクターとして全国に行きました。関東近辺にしかインストラクターがいなかったので、逆に、全国に足を運んでくれるインストラクターが喜ばれたんです。「呼べば来てくれる矢嶋さん」ということで知名度が上がって、結果的には沖縄から北海道まで全部行きましたね。
岡山:集客はホームページだけですか?
矢嶋:あとは地元にいるお友達、知り合いが何人か声かけてくれたり、ちょうどTwitterが流行し始めたときだったので、Twitterで講座開催を呼びかけると意外と反応があったりとかっていう。
岡山:トニーブザンのご本人の本っていうのは、特にまだ出てなかった時期なんですか?
矢嶋:出てました。2005年にダイヤモンド社から『ザ・マインドマップ』というタイトルで出てたのですが、ブザンの本は難しいんです。マインドマップのセミナーを受けると分かるけど、本だけで学ぼうとすると、ほとんどの人が挫折しちゃう状態だったのです。
岡山:だんだんとマインドマップの認知が広がって、と同時に矢嶋さんの活躍の場も広がって、そういう下地があったうえで、出版の話があったんですか?
矢嶋:実は出版もTwitterがきっかけでした。ある本を読んだときに、著書の方に感想を送ったんですよ、Twitterのメンションで。そしたら、どうもその本を考えるときにマインドマップで企画を考えていたらしく、そこから「おー、マインドマップの先生なんですか」と。
岡山:もうそのご著書を書かれた方がマインドマップについて学ばれていたところに、先生がいきなり。
矢嶋:もうすでに使われていたので。
岡山:引き合わされたかのように。
矢嶋:そう。「カンブリア宮殿」に出た藤野英人さんってファンドマネージャーの方なんですけど、『もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら タケコプターで読み解く経済入門』という本です。
岡山:「もしドラ経済」ってやつですね。
矢嶋:もしタケコプターが実現したらこういう保険が流行るだろうとか、そんなことが書いてある本で、すごい分かりやすくて楽しかったので、藤野さんにメンション送って「面白かったです」と伝えたんです。
岡山:そうしたら反応があった?
矢嶋:藤野さんが「実は、僕の本はマインドマップで出版企画を考えたんです」って言われて。それで、「僕のオフィスに遊びに来ませんか?」とお声がけいただいて。
岡山:それはラッキーですね!
矢嶋:オフィスに遊びに行った日の夕方に、その本の出版記念講演会があるということで、「あまり人数も集まってないので、よかったらどうぞ」って言われて。
岡山:オー、さすが!
矢嶋:そういうときには「はい」か「イエス」か「喜んで」しかないと思っているので、「はい」と言って伺ったら、たまたま編集者さんがその場にいらっしゃって、藤野さんが「この方はマインドマップをコミュニケーションで使われてる方なんですよ」ってご紹介いただいて。「本書きますか?」っ言われたので、喜んで「はい」と。そして出版に繋がったという。
●チャンスはその辺に落ちている。みんなただ拾わないだけ?!
矢嶋:私思うんですけど、チャンスっていろんなところに落ちていて、それに「はい」って言わないだけだと思うんですよ、皆さん。
岡山:なるほど。
矢嶋:成功者と言われる方は、あっちこっちで蜘蛛の糸じゃないですけど垂らしてくださっていて、「登ってくるんだったらどうぞ」って言ってるんだと思うんですよ。それをね、ちょっとこの蜘蛛の糸細くてちぎれそうなんで、もうちょっと太くなってからにしますとか、もうちょっと様子見てからにしますとか言ってるから、ダメなんだろ!とか思っていて。
岡山:矢嶋さん、昔からそんなに思い切りが良かったんですか?
矢嶋:いや、そんなことはないですけど、でも別にそれで「はい」って言って失敗しても、何のリスクもないじゃないですか。後から考えればどうにかなることっていっぱいあって。例えば私が公務員だったとして、出版して、印税どうなるんだとか言われても、別にその場になって相談すれば、たぶん解決策ってあると思うんですよ。
岡山:そうですよね。
矢嶋:でも、それってやったことないから、分からないから、やらない、って決めちゃう人が多いので、やったことなくて分かんないけど、「やってみたいと思ったらやりゃあいいじゃん」って思っているので。
岡山:そうか、そのときはまだ公務員でいらしたんですね。
矢嶋:そのときはもう仕事辞めてたんです。「辞めて何のリスクもないからだよね」って言われるかもしれないですけど、でも何をやるにしても、やっちゃってからどうにかなることっていっぱいあるので。
●チャンスは水物。返事は「はい」か「イエス」か「喜んで」
矢嶋:その編集者さんも、ちょうどよその会社から移ったばっかりで、今は退職されちゃったんですけど、「あのときだから私は矢嶋さんに声をかけた。今だったら声かけないと思う」って言われるくらい、チャンスって水物だと思っているので、あのときに「はい」って言ってよかったなと。
岡山:そのときの空気とか雰囲気とかで言わせたのかもしれませんし。
矢嶋:新しい出版社に移ってきて、あれこれやってみたいときだった、っておっしゃってました。
岡山:ほんとお互いにとって、そのときその場限りのチャンス、出会いだったんでしょうね。
矢嶋:そういうこと、ありますよね。
岡山:というか、そればっかりですよね。
矢嶋:そうなんですよ。だからチャンスが来たら「はい」か「イエス」か「喜んで」しかないと思ってるんです。「いちいち、お前にジャッジをする権利はない」と。それは向こうがジャッジをするのであって、チャンスを受け取る側がジャッジするもんじゃないと思ってるんですよね。
岡山:受け取る側はもっと謙虚さが必要なんですね。
矢嶋:そんな、だって分かんないんだもん。受けたらラッキーだし、受けなかったらごめんなさいねだし。でも、とりあえず、自分より世の中を見てる人が「どうぞ」って言ってくださったら、それは別に普通に「イエス」を言えばいいだろうなと。
岡山:そういう考えは、徐々に身についたんですか? それとも昔から?
●普通じゃないことを選ぶように意識づけした
矢嶋:うちは両親が非常に厳格というか、枠に嵌まって育てたかった両親なんですね。私はずっとそれに窮屈さを感じていたので、そういった意味では枠に嵌まらないっていうか、みんながやらないこととか、人と違うことに価値があると思う部分はあったと思うんです。
岡山:なるほど。
矢嶋:でも、たぶん公務員を辞めようと思った時点で「普通」じゃないことを選ぶように意識づけたんだと思います。安定していて、普通で、安泰、みたいな生活は公務員をしていればできるので、そうじゃない生活をしようと思った時点で、自然とそういう考え方を選ぶことにしたんだろうなって思います。
岡山:じゃあもう、ここからスイッチ入れて積極的にいこう!みたいな気持ちになって。
矢嶋:公務員を辞めた時点で、清水の舞台から降りちゃったんですよね。
岡山:普通の公務員の方にとっちゃ、そうですよね。定年まであとウン十年あるのに。
矢嶋:そこそこやっていけるし、クビにもならないわけですよ。よっぽど変なことしなければ。
岡山:矢嶋さんは、保育士さんの仕事をやってたんですね。
矢嶋:保育園で、しかも公務員でした。区立保育園って、すごい恵まれてるんですよ。たぶんやってる仕事としてもそんなに負担がなくて、でも子どもと関われて、お給料は民間よりも多くて、福利厚生も充実していて。保育士としてやるんだったら、公務員である保育士は圧倒的にいいと思うんです。
岡山:最高ですね、職場環境的には。
矢嶋:そうですね。でも、雇われなので。今思うと、「雇われじゃない」ことのありがたさっていうのはもっと大きいなと思いますけど、保育士として考えるには一番いいポジションにいたなっていうのは思います。
岡山:いつ頃から保育士になろうとか、きっかけはなんですか?
矢嶋:私、自分が保育園だったので、そのときからそう思ってました。
岡山:保育園時代から? そうだったんですね。保育園の先生素敵だなぁ、みたいな感じですか。
矢嶋:大好きだったんですよね、保育園の先生。たぶん統計的なデータを見ると、一番最初になりたいと思った職業に就けてる人ってほんとにごくごくわずかなんですけど、私は一番最初に保育士になりたいと思って、保育士になれたわけですよ。
岡山:保育士になりたいと思った理由は何ですか?
矢嶋:一番最初に担任してくれた先生がすごいやさしくて、いろんな遊びを教えてくれるし、いじめられたりとかケンカとかすると、公平に扱ってくれるわけですよ。
岡山:いい先生との出会いがあったんですね!
矢嶋:その後、受験とか進路とか考えるようになったときにも、やっぱり保育士って保護者以外で初めて接する大人で、なおかつ長い時間を過ごすので、子どもに対しての影響力もあるなと。今もこの仕事してる理由の根っこは一緒だと思うんですけど、人に影響力を与えるような仕事がしたいっていうのは、たぶんどっかで思っていたんです。
●大好きな保育園の先生を辞めた訳
岡山:それが、どうしてまた辞めたのですか? 何かきっかけがあったんですか?
矢嶋:はい。保護者は自分が育てられたように自分の子どもを育てようと思うのですが、その子がその育て方に合わないと、「なんかこの子ちょっと育てにくい」とか「変わってる」とかっていうふうに烙印を押して、その子を歪めてしまうパターンがあったのです。そうすると、ただ単に元気なだけなのに、落ち着きがないって言われて、だんだんその子がその子らしくなくなっていくのがちょっと残念だなと思ったんです。
岡山:「育てやすさ」って「その子らしさ」とは違いますもんね。
矢嶋:そのとき、自己肯定感っていうかセルフイメージとか、「自分のことを好き」っていえる大人が増えたら、自分に合った結婚相手と出会えて、押しつけじゃなく、その子らしい子育てがしてもらえるよなって思ったのです。
岡山:なるほど!
矢嶋:ところが、自分がクラスをもって担任してる子どもと、その保護者だけに関わるっていうのだと世界が狭いなと思ったのです。もっと広い分野から社会人教育に関わっていきたいなと思って、独立をしようかなと。
岡山:そのタイミングでマインドマップと出会われたんですか?
矢嶋:退職しようかなと思って、退職を決める前に大学に行って、臨床心理学を4年間学んだんですね。そこでカウンセリングに出会うんですけど、まどろっこしくて忙しい保護者には向かん!と思って。カウンセリングを勉強したくて大学に行ったんですけど、カウンセリングじゃないだろ!って思って、それでコーチングに出会ったんです。
岡山:カウンセリングからコーチングに切り替えたんですね。
矢嶋:コーチングのほうが社会人教育には向いてるなと思ったので、コーチングとして独立することを、社会大学の3年4年くらいのときに決めたのです。
岡山:大学に通いながら、仕事もしながら、コーチングスクールにはいつ通ったのですか?
矢嶋:コーチングスクールはオンラインで勉強できたので、平日の夜が多かったですね。土日は、NLPとか違うものを勉強してました。超絶忙しかったー!
●なぜ高い目標設定ができたか
岡山:せっかくとった国家資格の保育士を捨てて、公務員試験を経てついた安定した仕事も捨て、4年間学んだカウンセリングさえも捨てて、全く違うコーチングを学び始め……。さり気なくお話されてますけど、すごく志の高さと、ガッツのある感じがするんですけど。
矢嶋:私、やりたいと思って叶わなかったことがたぶんないと思うんですよ。それは、こないだクライアントさんに、それこそ「何やってんだ」って言おうと思って、自分が過去に好きになった人を思い出したんですけど、たぶん好きになった人でお付き合いできなかった人っていないんですよ。お付き合いできずに涙を呑んだとかなくって。
岡山:それはすごい!(笑)
矢嶋:この人とお付き合いしたいと思ったら100%付き合えるんだと思ったら、最初からうまくいくわけじゃないんですけど、何らかのかたちでうまくいく方法はないかな?ってずっと考えてるんですよね。
岡山:それは恋愛だけじゃなくて、いろんなビジネスとかそういうこともですよね。
矢嶋:ビジネスはどうかまだ分かんないんですけど、でも少なくとも、何かこれやりたいとか、これほしいと思ったものは、手に入ることが前提で考え続けてるっていうのがあるので、そこかな?と思って。
岡山:それはもう生得的に、誰かから教わったんじゃなくて、自然とそういう考えだったんですか?
矢嶋:諦めが悪かっただけだと思いますけどね。誰かから教わったこともないかもしれないけど、でも生得的なものでもないような気がするんですよね。
岡山:家族の影響とかですか? あるいは誰か先生とか、お友達とか。特にそういう覚えもあんまりないぐらいに、自然と身についていた?
矢嶋:いや、ただ単に諦めが悪かっただけだと思う。ほんとにそこは、たぶんほんとに諦めが悪いだけだったと思います。粘着質っていうか、あれって決めたらそれが手に入るまで諦められないんだと思う。
岡山:でも、それほど大好きだったり、それほど興味があったりとか、それぐらい本気だったりとかっていうことなのかもしれない。
矢嶋:そもそも、本気じゃないものをほしいと思うって気持ちがよく分かんない。
岡山:あるじゃないですか、なんかいいな、とか。何となくがいいな、とか。
矢嶋:それはどうでもいいですよね?
岡山:本気しか、心が動かない。
矢嶋:たぶん本当にほしいものと、どうでもいいものが、結構、追いかけてるうちに区別がつくんだと思うんです。
●常に「コア」だけを追いかけてる
矢嶋:例えば、私は自分の住む場所とかもわりとこだわりがあって、こういうところに住みたいとか思う。それはずっと子どものときから漠然と、こういうとこ住みたいなぁとかっていう、自分の居場所とか、好みがあったんですけど。その好みとか、こうなったらいいなっていうのだけは、手に入れてるんですね。
岡山:大事なものっていうことですか?
矢嶋:例えばルーフバルコニーがついてるマンションに住みたいって考えていた時期があって。結局ルーフバルコニーのあるマンションに住んだことはないんですけど、でも、100平米ぐらいあるマンションに住んでみたりとか、海辺のタワーマンションに住んでみたりとか、山手線の中に住んでみたりとか。
岡山:駅から家まで雨に濡れずに帰りたいとか、ありますよね。
矢嶋:高いところに住みたいとか……そういうほんとにコアな願いは基本的にはずっと諦められないので、何らかのかたちで叶うタイミングがやって来る。で、チャンスがやって来たときに、それが叶ったんだぁと思って気づいて喜べるかどうかだけだと思うんですけど。どうでもいい表面的なものじゃなくって、常にコアだけ追いかけてる感じがしますね。
岡山:だから、変なフワフワしたところにチラチラ目がいかないで、大事なものだけを見て、本質的に、自分が本当に大事で大好きなもの、叶えたいものだけにフォーカスしてる。
矢嶋:そうですね。表面か本質かって言ったら絶対本質がほしいし、本質は何なんだ?ってことはずっと考えてる気がします。
岡山:ご自分にとっての価値観として。
矢嶋:なので、私のクライアントさんもセッションで満足してくださるのは、表面的なものを追いかけてるんじゃなくって、クライアントさんのコアをずっと追いかけさせ続けるから、満足してくださる。
岡山:それはほんとにあなたがほしいものですか?とか、そんな感じですか。
矢嶋:だってどうでもいいですよね、年収1000万とか。年収1000万ほしいんですとか言った途端に、ハイハイ、みたいな。それは誰かに言われて、それがあったらいいよねっていう表面的な目標なので。
●子育てが楽しめる成熟した大人を送り出したい
岡山:今、矢嶋さんにとって、ここ何年かでずっと追いかけてるものって、どんな価値ですか?
矢嶋:独立したときの最初の希望でもあるんだけど、「子育てを楽しめるような、成熟した大人があふれる社会にしたい」っていうのがあって、それは譲れないものだと思います。子育てが楽しめるっていうのは、自分が成熟してないと弱いものに人は当たるので、子育てが楽しめるってほんとに精神的な成熟がないとできないことだと思っているのです。
岡山:「精神的な成熟」。なかなか難しいテーマですね。
矢嶋:子育ては、別にきれいなものでもないし、美しいものでも楽しいものでもない、大変さのほうがたぶん出てくるんです。でも本質的に、人を育てるとか相手を尊重するとか、人として譲れないものは全てそこに集約されると思っているので。子育てが楽しめる成熟した大人。そんな大人があふれる社会、そんな大人だらけの社会にしたいなっていうのは、ずっと思ってます。
岡山:そういうビジョンをお示ししつつ、クライアントさんもそれに対して「あ、自分もそういう大人になりたいな」とビジョンに共感して、そんな価値観を共有しているのでしょうか。
矢嶋:基本的に、クライアントさんとはあんまりそこを共有とかはしてなくって、クライアントさんが自分がなりたい大人になればそうなると思っているので、なったときに、「あぁ!」ってすごい安心する感じです。セッションの前に話をするっていうよりも、クライアントさんが、
「目標達成しました。ありがとうございました!」って言うときに、
「よかったです。これで私も何か一つ、一人、社会にそういう魅力的な大人になっていただいて、社会に戻っていただくことができました」みたいな感覚ですね。
●本当は年収1000万円がほしいわけではない
岡山:そういうクライアント様の表面的な目標と本質的な目標で、どんなズレというか事例があったかっていうの、ちょっと教えていただけますか?
矢嶋:何があったかなぁ?
岡山:最初例えば1000万って言ってた方は、本質的にはどんな目標だったんですか?
矢嶋:本質的にはパートナーシップだったりとか、自己肯定感だったりとかしますよね。自分に自信がほしいとか、家族の関係がよくなってほしいとか。でも、そのためには自分がデキる男である必要があるから、稼ぎたいとか、すごいって言われるために。
岡山:1000万とか言うわけですよね。
矢嶋:出しちゃうんですよね。バカじゃないかと思いますよ。
岡山:矢嶋さんから見たらバレバレっていうか。
矢嶋:でも一緒に探していくので、最初のうちの何回かはその方法を探していくんですけど、動けないんです、結局クライアントさんが。自分でほんとにほしいものではないので、動けないのです。
岡山:そうかぁ! ほんとにほしいものじゃないから動けないんだ。
矢嶋:そう。だから、もういいよそれは、違うんだよね、って。あなたがほしいのはそうじゃないでしょ、何がほしいの?って探していく感じです。
岡山:そっかー。
矢嶋:そうなんです。だから出版で、企画は通ったけど書けないっていうのは、ほんとに本が書きたいわけじゃないんですよ。本が書ける、書いたっていう実績とか賞賛がほしいだけなので、本当に書きたい人は書きますよ。時間かかってでも何でも。
岡山:なかなか耳が痛いですね!(笑)
矢嶋:それは、だから本当にほしいものじゃなくて、とりあえず自分の、要は表面的な洋服なわけですよ。アクセサリーなんです、ただのアクセサリー。どうでもいいんですよ、そんな指輪とかなくても別に大丈夫でしょ?死にゃあしないし。
岡山:確かにね。家ほしいとかね、そういうのも含めてね。子どもがほしいはちょっと違うかもしれないけど。
矢嶋:子どもなんて、別に自分のちょっとした感覚としてほしいっていう人がいるので、ほんとにほしいの?って聞くときありますよ。
岡山:そうなんですね。
矢嶋:動けないのは別にどうでもいいんですよ。それじゃないよね、って。私はさっさと違うものにアプローチします。
岡山:そこに思い至るプロセスっていうか、クライアントさんと一緒に見つけていく気づきへのプロセスについて、事例など教えていただければ。
矢嶋:まず、さっきもお伝えしたように、動けるかどうかっていうのは第一ですよね。ほしかったら、ほしいと思って動くので、動けないってことは、ほしくないんじゃないの?って言うことがあります。それから、それがほしい理由を深く掘っていく。そうすると、お金がほしいのか名誉がほしいのかとか、何がほしいのかは分かってくるので。本当にほしいものの本質を探っていく。
岡山:本質がお金や名誉である可能性もあるわけですか?
矢嶋:ありますよね。
岡山:そうなんですね!
矢嶋美由希さんのインタビューはまだまだ続きます! ●クライアントの魂や本質をみてコーチングする 続きの電子版(pdf)を無料で受け取りたい方は、どうぞ下記よりお申込みください! 【マインドマップ・メンタルコーチ矢嶋美由希さんのインタビュー記事はこちら!】 |
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