本を出したい人のゴールは「企画書」?

      2021/11/07

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プレゼン

企画書を書いて編集者の前でプレゼン!そう思っただけでワクワクしますよね?でも肝心なのは「その先」なのです。

こんにちは、クリエイトブックスの岡山泰士です。
「本を出したい!」「出版したい!」という志のある方の中には、出版塾に通う人もいます。そこでは企画書の書き方を学んだり、なかには編集者へのプレゼンの機会を提供してくれる塾ものあるのですが、これがなかなか難しいのです!
 
どうすれば良い企画書を書いて、次のステップにつなげることができるのでしょうか? 順番に解説していきましょう。
 

●本を出すには編集者の存在が「カギ」

本を出したい人と願う人が実際に本を出版できるかどうか、その成否を分けるのは「編集者」の存在です。
 
すべての著者さんは、編集者という「黒子役」と一緒に本作りをして、本を出版しています。著者さんは企画書を書き、原稿を書くわけですが、編集者はその企画書や原稿を受け取る側ともいえます。
 
ところが、どんなに素晴らしい(と自分で思える)企画書や原稿を書けたとしても、それを受け取る側が「いいですね!」といってくれなければ、本来の目的、つまり「本の出版」を実現することは難しいでしょう。
 
もちろん企画書を書くか、原稿を書かないと、編集者はなかなか会ってもくれないのは事実。でもこのとき本質的に大切なことは、その企画書や原稿の良し悪しを判断する「編集者」が何を求め、どんなレベルでなければいけないか、ということです。
 
もっと踏み込んで言うと、
「もし一度採用されなかったとしても、どうすれば再度提案できるのか?」
までを一緒に考えてくれるのが「編集者」の存在です。
 
出版塾を主催する著者や経営コンサルタントの方は、企画書も原稿も書いたことがあるでしょう。だから、まだそういったものを書いたことがない人にとっては良いお手本になるし、参考になる話もたくさん聞けるでしょう。
 
たとえば、
 
  • 著者になるとはどういうことか
  • 編集者とどう付き合うべきか
  • 出版後にはどうすれば良いか
  • 1億円の印税を受け取るとはどう言うことか。
などなど、参考になる話、勉強になる話はたくさん先輩、経験者から聞くべきです。でも、ただそれだけでは原稿も書けないし、企画書も書けません。そして、頑張って企画書を書けたとしても、「出版社に採用される企画書」を書くのは難しいのが現実です。
 
なぜかというと、様々なバックグラウンドがある「著者の卵」たちをしっかりヒアリングして、その人にとって最高の「売り」となるもの(=コンセプト)を見つけ出し、それを「企画書」それも「採用される企画書」に昇華させるためにはかなりの経験とノウハウが必要だからです。
 

●ゴールは「編集者の前でプレゼンすること」ではない

ある出版塾では、書き上がった企画書をみんなの前でプレゼンする機会を作ってくれます。なかには、知り合いの編集者に声をかけて、審査員役をお願いし
「良い企画があれば手をあげてください!」
と「マネーの虎」(古い例えですいません)ばりの出版塾もあります。
 
もしも1社でも挙手があれば、その場は非常に盛り上がるわけですが、その実、たとえそのあと編集者に一対一で会う機会がセッティングできたとしても、実際にその企画が本になる確率は、非常に低いと言わざるを得ません。
 
そもそも、企画書は「落とされるのがフツー」であり、プロの編集者でさえ、条件は同じこと。プロの編集者にとっても「高いハードル」を、初めて本を出そうという方が出した企画書が一発で通ることは滅多にありません。
 
もしあなたのフォロワーが10万人もいるのなら話は別ですが、そうでない多くの方にとって、そもそも企画が採用されることは稀なケースであることは、常識として知っておいていただければと思います。
 
では、どうすれば良いのでしょうか?
もう少し、この話にお付き合いください。
 

●無事に編集者と直接、会うことはできたが...

ある著者さんが実際に体験した話をしましょう。
地方在住にもかかわらず、熱心に出版塾に通って数々の課題をこなし、
しっかり事前練習をした成果が実り、編集者を前にした「プレゼン大会」では、
見事に複数の編集者に挙手をしていただくことができました!
 
そして、もちろんその後で全員と名刺を交換し、メールで連絡を取り合い、
わざわざ飛行機で東京に通い、そのとき手を挙げてくれた編集者全員と会ったわけです。
 
ところが「あの場」ではいいことを言ってくれた編集者も、実際に本を作ることを真剣に検討するとなると、だいぶ現実的になっています。
 
あれこれ問題点、課題を指摘して、結局は
「もう一度企画書を磨いて、原稿も頑張ってください。
ついでに、ブログやインスタでフォロワーの数も増やしましょうね」
と言われてしまったのです。
 
その課題もできるだけ頑張ってこなし、2回目の面談を申し込んだところ、
会ってくれる人もいましたが、結局、企画は採用されるには至りませんでした。
 
なんで僕がこんなに詳しいかと言うと、後日その方から出版コンサルティングの依頼を受けて、その後、クリエイトブックスから本を出版されたからなのです。(実名はここでは控えさせてください)
 
結局、その著者の人柄に惚れ込んだり、「世の中の人の役に立ちたい!」という情熱を買ってくれる編集者と出会わない限り、その著者さんの本が世に出ることは難しいでしょう。
 
そう言う意味では、できるだけたくさんの編集者と会うこともやり方としては間違っていませんが、なかなか現実には難しいと思います。(そもそも、編集者が一堂に会する機会は滅多にありません)
 

●手前の目標に気を取られず、本当のゴールを目指す!

ここで一つ、あなたに質問をさせてください。
 
あなたは「目の前の一歩」を大切にする人ですか?
それとも、「登る山が正しいか」を重視にする人ですか?
実はほとんどの人が、「目の前の一歩」を大切にするあまりに、
苦労してたどり着いた山のピークが、当初想像していたものとはまったく違うことに気づいて、ガク然としてしまいます。
 
もちろん、そういうことはママあることなので、気づいた時点から軌道修正をすれば良いだけだし、またチャンスも巡ってくるかもしれません。
 
でも、もし「目の前の一歩」の先にある山頂が、あなたの目指していたゴールが、「自分が本当に目指していたところ」ではないことに気づくのがもっともっと早かったら、どんなに良かったでしょうか!
あなたも、後になって悔しい思いをしたくはないですよね?
 
できるだけ早い時点で、「目指すべきところがどこか」を明確にして、そのための確実な一歩を踏み出すことをお勧めします。
 
あなたのゴールは編集者に会うことですか?
企画書が採用されることですか?
原稿を書き上げることでしょうか?
 
「もちろん違います。私の目的は本を出版することです」
 
そう胸を張る人もいますが、でも、それって本当でしょうか?
僕から言わせれば、本を出すことを人生の目的にしている人は、
大学に入ることを目的に受験勉強に勤しむ高校生と一緒です。
有名企業の就職を人生の目的してきた人は、
入社してから3ヶ月も経たずに燃え尽きてしまうでしょう。
 
そして、残念なことに、そういう人は一定数いるのです。
 

●あなたの本が出版されることで、世界はどんなギフトを受け取れる?

少し現実的な話が続いてしまったので、ちょっと違う話をしたいと思います。
 
もし、あなたが人生を終える時、
「あーいい人生だったな」
と振り返っている自分の姿を想像してみてください。
そのとき、「本の出版」はあなたの人生の1ページに含まれていますか?
 
あなたが自分の人生で受け取ってきた数々の体験や傷やさまざまな想いを込めて、「一冊の本」がこの世に生み落とされるとします。
 
そのとき、誰があなたの本を「待ってました!」と受け取ってくれるでしょうか? 誰か一人でも、その人(=未来の読者)の顔が思い浮かぶのだとしたら、
あなたは本を書くべきでしょう。
あなたの書いた本は、読者を笑顔にすることができますか?
その笑顔は、周囲の人にも広がりそうですか?
もしあなたの「本を出したい」という思いが本物であるとしたら、
それはどこからきているのでしょうか?
そして、その理由を明確に自覚しながら、企画書を書けているでしょうか。
 
本を出版するためのスタートは、原稿を書くことではありません。
「企画書を書く」ことから、本の出版を実現する道はスタートします。
そして、ゴールは「あなたの読者が笑顔になること」です。
 
もう少し噛み砕いて言うと、
「読者(=社会)の課題を解決するヒントがその本から得られること」
それが著者としてのあなたの出版の意図(目的)であるならば、あなたの企画書はできたも同然でしょう。
 
①企画書を書く
 ↓
②採用される
 ↓
③原稿を書く
 ↓
④出版される
 ↓
⑤読者や社会の課題解決
まずは、この流れをしっかり頭に入れてください。
その上で、⑤の「読者や社会の課題解決」つまりビジョンを明確にした上で、①から順番に駒を進めていきましょう。
 

●結局、頼りになるのは「編集者」だけという事実

編集者は年間に何本も企画を立てます。
そして、たとえその企画書が落とされても、また再提案するだけの粘り強さと知恵と経験値を持っています。(もちろん、それだけ魅力的な企画だとその編集者が信じるものがあればですが)
 
僕は市場調査をしっかりした上で、採算性を重視した企画を出すことがほとんどで、加えてこれまでの編集経験や販売実績も豊富にあるため、企画会議で落とされることはほとんどありません。その一方で、市場性が低く、マイナーなジャンルの「チャレンジ企画」をあえて出すこともあります。
 
そんなときは非常に苦労をしました!
もちろん、その「企画」にほれ込んでいたからできたことなのですが、その甲斐あって、その本は1年経たずに5刷(1万部越え)まで到達しています。
 
これは別に自慢をしているわけではなく、企画を通すということは「経済性を立証して、出版社に投資してもらうための決済を仰ぐこと」であることをお伝えしたいのです。
 
だからあなたは、自分の企画に数百万から時には一千万円を超える投資をしてくれる人を探しているという自覚を持って、企画会議に提出する「企画書」を、精魂込めて書く必要があります。
 
でも、そんな企画書がいきなりは書けないのは当然ですよね?
そんな時に力になってくれるのが「編集者」です。
本を出したいというあなたの熱い想いと、現実のギャップを埋めてくれるのが「編集者」という存在です。
 
あなたの想いや実績に惚れ込んで、あるいは人柄に惚れ込んで、「一緒にやりましょう!」といってくれる編集者を見つけましょう。そして、そんな編集者に会うために、企画書を書き、原稿を書き、日頃の情報発信を頑張って、あなたのファンを、心から応援してくれる仲間を増やしていきましょう。
 
それこそが、あなたが今やることであり、著者として本を世に出すための最短・最善の道です。
 
著者として本を世に出すための最短・最善の道とは、あなたの想いや実績に惚れ込んで、あるいは人柄に惚れ込んで、「一緒にやりましょう!」といってくれる編集者を見つけること。そして、そんな編集者に会うために、企画書を書き、原稿を書き、日頃の情報発信を頑張りましょう。そして何よりも、あなた自身の経験・実績を積み上げましょう。それが、あなたのファンを、心から応援してくれる仲間を一人一人増やすことになります。
日本人は勉強好きなので、つい「出版塾」に通いたくなる気持ちは、すごく良くわかります。僕自身、たくさんの学びを得たことも事実です。でもより本質的なこと、あなた自身がやるべきことは、本を出版後にどんな世界を実現したいか、というビジョンを明確にして、パートナーとなる編集者と出会う場を見つけて行動することです。
 
あなたの成功を、心から応援しています!
 
CB

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