企画書のヒント「書きたいことはあるけど、何を書いたら良いかわからない」
2021/12/05
この記事は 0 いいね!されています。(以下はリニューアル後の数値です)
著者の卵や、これから本を出版したいという方から、
「書きたいことはたくさんあるけど、何を書いたら良いかわからない」
というご相談を受けることがあります。
先日も、ある女性起業家の方からお話を伺うと、
- 教育関係の大学に行き
- 海外の最新教育法についても精通していて
- 英語は翻訳の手伝いができるほどお得意。
- 英語フランチャイズ教室を運営していた経験もあり。
- ご自身でモンテッソーリ教育の事業を手がけていたことがあり。
- 保育園や児童養護施設での勤務経験がある。
などなど、確かにこれだけ「書くネタ」が多く、引き出しが多ければ、
迷われるのも無理からぬことだと納得しました。
こういう方はきっと、うまくチャンスを作れれば(=良い企画書を書ければ)
何冊も本を出版することができるのでしょうが、まずは1冊目が大切です。
どんな企画から、どういった切り口でまとめていくのが良いか?
「考え方のヒント」をお伝えしましょう。
●企画書をつくるときは出版後のことも考えて
企画書を書くにしても、その企画の切り口しだいでは
全く違う本の作りにすることも可能です。
たとえば、「英語とモンテッソーリ教育」といったような「掛け算タイプ」。
あるいは「集団になじめない子を持つ親向けの、子育てアドバイス本」
「日米欧のオルタナティブ教育事情」など、
市場ニーズや企画のユニークさなどを考慮に入れながら、
企画書そのものは何パターンでも作れます。
さらに、担当編集者や出版社によっても本の作り方が変わり、企画の切り口も変わるので、同じテーマでも、ページの見せ方(判型やデザイン)や作り方を工夫して、
オリジナリティーが高い本にすることも可能です。
こう書くと、ますます迷ってしまいますね......(笑)
何を優先すべきか? 優先順位が高いのは何か?
そのヒントは「出版によって何を実現したいか」を考えることです。
そのヒントは「出版によって何を実現したいか」を考えることです。
- ビジネスを成長させたいのか。
- 読者や社会の課題を解決することが最優先か。
この両者だけでも取る道は全く違うかもしれません。
あるいはもっと積極的に、
- ビジネスと社会課題の解決の両方を実現する。
という路線を狙うこともできます。
いずれにしても、本を出版した後、読者にどのような価値提供をしたいのか。
そして、社会にどう働きかけたいのか。
「出版後に何を実現したいのか」をしっかりイメージして、
その目的に沿った企画書を作ることをお勧めしています。
そうすることで、本を出してから動き出すよりも、はるかにスムーズに目的が達成できたり、仲間が自然と集まったり、ビジネスがうまく回るようになるからです。
(成功事例はこちら!)
●優先順位を決める方法
「そうは言っても、考えるべきこと、やりたいことが多くて選べない」
という人のために、優先順位を決める方法をご紹介しましょう。
ここでは「出版後に成長させたいビジネスを選ぶ」というケースで考えてみましょう。
いくつか事業プラン(アイデア)があるなら、次の7つの項目をそれぞれ5段階で評価してください。
-
売上(キャッシュフロー)の大きさ
-
実現スピード
-
自社・自分の強みを活かせるか
-
オンラインでできるビジネスか
-
単価(商品やサービスの)
-
顧客にわかりやすい価値を提供できるか
-
情熱
7項目あるので、35点満点になりますので、合計点が一番高いビジネスプランを選ぶと良いでしょう。それでも同点で決められない場合は、もう少し項目数を増やすのも手です。たとえば、
-
「実績・経験値」(自分や自社の)
-
「市場性」(いわゆるマーケットがあるかどうか、市場規模など)
などです。あるいは別の考え方で言えば、ビジネスの初期ほど、実現度が高いことや、大きい売上を必要としますので、同点であれば「実現度」か「売上」が大きいビジネスを優先しましょう。
そして、ある程度そのビジネスが回るようになったり、人に任せることができるようになったら、次点のビジネス(事業)を立ち上げてもいいし、点数が低くても情熱があるビジネスに移行しても良いのです。
いずれにしても、「Aがいいか? Bがいいのか? わからない!」と長く悩む必要がなくなり、頭の中もスッキリするはずです。
こうやって本を出版した後のゴールが明確になれば、自分が書くべき本のコンテンツも整理しやすくなるし、普段のブログやnoteなどでどんな情報発信を心がければよいかも明確になります。
●人は悩むのが好きな生き物?
僕自身も経験があるのですが、何年も悩み続けてみたり、結論が出ないのでいつまでも逡巡しっぱなしということが意外とよくあるものです。
たとえば、こんな声を耳にしたことはありませんか?
「なかなか一歩が踏み出せない...」
「結論が見えないので動けない...」
「何がベストか先に知りたい」
企画書をどう書くべきか、どんな立ち位置で情報発信すれば良いか、ビジネス展開はどうすべきか.......。
僕自身もいろいろと悩む年月が正直、長かったのも事実です。
でも、ある時ふと気付かされたのですが、「思考するだけでは時間の無駄」ということが、骨身に染みて分かるようになりました。
人生は、やってみないとわからないことだらけ。
出版やビジネスでも、まずは小さなテストをして、その結果を客観的に評価したほうが、どの方向性に進むべきかの答えが明確になることがほとんどです。
例えば書きたいテーマが複数あるなら、いくつか脈がありそうなテーマで小冊子やKindle出版をして、どれが一番人気かを配布したりダウンロードを通じて調査すると、明確に答えが出ます。ビジネスアイデアが複数あるなら、サービスや商品購入の「お申し込みページ」だけを作り、先に募集をかけて事前調査することができます(もちろん不成立の場合は返金などが必要ですが)。
このように小さなテストを繰り返すことこそが、「成功への王道」です。
この「小さなテスト」ができるものをMVP(Mimimum Viable Product=実用最小限の製品)と呼んだりします。出版であれば「小冊子」やKindleが、ビジネスであれば「LP(ランディングページ)」がこのMVPにあたります。
小冊子やLPであれば、数日もあれば完成して、それをテストにかけて、想定読者や見込みのお客様の反応をみることもできます。手が速い人だと、数時間で作ってとりあえずリリースし、先にお金をいただいて、それを原資に製品化を一気に進めたり、商品を輸入したりということも(新規商品販売のためのクラファン「Makuake」などはこのケースが多いですね!)。
考えなさ過ぎはどうかと思いますが、考えすぎもときには「毒」。
頭の中はスッキリするように日頃から注意して、自分が何に悩んでいるか、思考のループにハマっていないか、そして自分の人生を止めているのが何かに自覚的になりましょう。
人生を止めているものが何かを自覚するためのヒント「自分はここで足踏みすることで、何かメリットがあるのだろうか?」「本番が始まるのが怖くて、ずっと練習ばかりしていないだろうか?」「船を作ったのに、港から出ることを拒否してないか?」
●まとめ
- 企画書のテーマ選びで迷ったら、出版後に実現したいことが何かを決めて、その目標に一番あったテーマを選ぶ。
- ビジネスの成長や社会課題の解決などが、出版後に実現するように意図するとうまくいく。
- 出版後のビジョン作りには、複数案を出して、複数の視点で評価・決定する。
- 悩むより、MVPでテストした方が早く答えが出る。
- 思い悩むクセがある人は、何が自分の人生を止めているかに自覚的になる。
あなたの人生が、帆を揚げた帆船のように動き出すよう、心から応援しています!
CB