「企画書を書いた!」でもその前に必要なたった一つのこと

      2022/06/01

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おかげさまで大人気の「無料コンサル」シリーズ!
今回は朗読会や創作でご活躍のブロガーさんからのご相談でした。

素晴らしい企画書ができたはいいが、その先どうしたら?
少し長い対話となりましたが、クリエイティブだった時間を
ググッと圧縮してお伝えしましょう!

●企画書よりも大切なのは、自分の在り方

以前から物語を書いたり、100人規模の朗読会も開催しているSさん。
企画書も書き、シナリオを書くための学校にも通い、書く技術を磨いているとのことでした。

今回はあえて、企画書について深くは触れず、
どんな自分になりたいか、あるいは出版によってどんな世界が実現していると一番喜びが大きいか、ということをお尋ねしました。その結果、

「世界の平和に貢献すること」
「それを実現するために、書くこと、作家になること」
「アイデンティティーとビジョンを確立したい」

という話をお聞きすることができました。

実は企画書を書く前に、著者プロフィールを書くことを勧めています。
その理由は、その人の「在り方」、もっといえば、今の自分より少しだけ「理想」の自分の在り方を明確に書き記し、人に伝えることで、本を出すことで得られる自己実現に一歩近づくことができるからです。

下記の記事がお役に立つと思うので、ぜひ参考にしてみてください(⑤までの続きものです)

企画が採用されるために、「企画書」以上に大切なものとは?〜プロフィールを書こう!①

 

●「私が売れるものはこれぐらいしかない!」

その方は、作家として有名になったら「中東の女性の自立支援」をしたいというビジョンをお持ちでした。
現状について色々お聞きしてみると、すでにブログ、セミナー等でも実績を積まれていらっしゃいます。

5.5万円と高額にもかかわらず80名を集客に成功。

アメブログ4,000人弱フォロワー

著名な著者さんがシェアで応援!

2,000人フォロワーがいる友人、1万人単位の人もフォローしてくれた。

というなかで、「旦那の成功を導いたアゲマン奥様」的な内容のコンテンツを書かれたいとのこと。
類書としては、ハウツー本、ビジネス本が多く、実用書もあったが、自己啓発的な小説の形態はほぼなかったなか、原田ひ香『三千円の使い方』は50万部を突破しているので参考になるかも、というご自身の分析でした。

僕は編集者なので、実利的・現実的なものの考え方をしがちなのですが、プロの目で見ると、デビュー作で「小説風自己啓発書」は結構ハードルが高いほうでしょう。

「書く力」については、もちろん高いレベルが求められるし、ファンがそれほど多くはいないという条件であればなおさらです。
相当な準備と豊富なスタッフが揃っていれば別ですが、お金・人材・時間を揃えない限り、いきなりのデビュー戦で勝ち目がある戦いができるかと言えば、ちょっと厳しいかもしれません。

なかには、1000万とか1億単位で先行投資して、デビュー戦を飾った作家も国内外にいますが、誰もが取れる戦略でもありません。

そこでおすすめなのは、まずはハウツー本を書くこと
再現性のあるプログラムなどを開発し、見込み客でテスト運用して改善。
その上で、実用書としての企画を練り直すことが第一に提案させていただきました。

もしそれでピンとこなければ、企画書の採用確率はグッと下がりますが、まずは著者のキャラ立てをしっかり打ち出して、
「こんな面白い人の、こんなぶっちゃけ話であれば、ついつい読んでしまった!」とか
「泣き笑いしながら読み終えたら、心がジーンとして、何か映画を見終わった後のような満足感が残る」とか、そういうリアルエッセイ路線というのもありうるでしょう(ただし相応の筆力が求められます)。

実は2番目の路線で良い事例があるので、次にご紹介しましょう!

●林真理子のデビュー作とその後の活躍

『ルンルンを買っておうちに帰ろう』で衝撃のデビューを飾った林真理子さん。
時はバブル真っ盛りの1982年のことでした。

自伝風エッセーでいきなりのミリオンセラーというのもあまり例がないのですが、
驚くのはその後のマスメディアでのご活躍です。

今までにない「才女だけど、いじられキャラ」というポジションを獲得した林真理子さん。
深夜番組でバニーガールの格好をさせられて、それを自虐ネタとして毎月マガジンハウスの『an・an』(当時は雑誌が一番元気な時代でした!)で書き連ね、そのノリの良さと独特の視点からの世界観(オンナだって言いたいことがある!)、そして「ドキドキ乙女ゴコロ全開」で多くの女性ファンを獲得。

その中で、徐々に仕事の比重を小説に移し、『最終便に間に合えば』『京都まで』の2冊で直木賞を受賞すると、雑誌の連載はそのまま継続し(レギュラー本数を一定数増やした後は、ずっと継続)いまや文壇の長として押しも押されぬポジションを確立されました。

直木賞の審査委員はもちろん、週刊文春での連載回数1655回はギネスレコードだそうです。
この変遷具合をどう読み解くか?
僕の見立ては以下の通りです。

【林真理子さんに見る、キャラ立ての変遷と成功戦略】

  1. ウケ狙い(ぶっちゃけ女子トーク炸裂エッセイでミリオンセラー)
  2. オリジナルポジション獲得(才女だけどいじられキャラ)
  3. 露出過多・過剰(深夜番組で肌露出)
  4. 執筆量増強(連載多数獲得)
  5. 実力アップ(雑誌レギューラー多数+年間数冊の小説・エッセイを継続発行)
  6. 同時に「(努力の)美女」というポジションにシフト(「美女対談」など)
  7. 実力者ポストゲット!(直木賞作家を選ぶ立場、文壇の長に)

もちろん本人の努力量がものすごいことは言うまでもありません。それは大前提ですし、与えられた機会を最大限活かしただけなのかもしれませんが、注目すべきは、立場にこだわらず、自分を生かす道を選んできたこと。

きっとご自分の20年、30年先を見据えつつ、キャラを演じ、嫌な仕事でも引き受け、好きでもないポジションに甘んじつつ、着々と実力を伸ばされたのではないでしょうか。

ほとんどの人は、自分を生かすことよりも「立場」に固執しがちです。

もしそれをやっていたら、どんなに才能がある人でも、時代の変遷とともに短命で終わっていたでしょう。そして、これがほとんどの「才能ある人」がたどる路なのです。

今の時代は、人類の誰も体験したことのない変化の激しい時代です。

50年前、パーソナルコンピューターはありませんでした。
30年前にスマホはありませんでした。
20年前に、テスラはありませんでした(今や株価でトヨタを抜いています!)
10年前、自動車の自動運転は、夢物語でした。
10年後の未来は、誰にも予想できないのです。

そんな中で、あなたは自分の10年後、20年後、あるいは30年後どうなっていたいでしょうか?

ポジションと方法論にこだわっていては、時代に完全に取り残されます。
そうではなく、自分のもてる才覚・才能を最大限ストレッチすることだけに集中し、与えられたチャンスと人とのご縁を最大限活かすこと、つまり全身・全霊で読者(社会)の期待に応え続けることでしか、自分を生かすことはできないのです。

その上で、実績・経験が溜まった事例を書籍として世に送り出すことは、きっと大きな社会貢献につながるでしょうし、著者としての存在価値が、きっとあなたのビジネスの成長にも役立つことでしょう。

CB


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