【著者対談】「なぜ子どもにイライラする?」子育てカウンセラーたかもりくみこさんに聞いてみた。

      2021/03/06

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かわいいはずの我が子に「イライラ」させられる……。
親であれば、誰もが少なからずそう感じたことがあるのではないでしょうか。
 
「コンシャスペアレンツ(意識的な親)」という考え方を広めている子育てカウンセラーの
たかもりくみこさんも、同じでした。
3人目の男の子のやんちゃぶりにほとほと手を焼いて困り果てていたのですが、
逆にそのことがきっかけで、現在のお仕事につながったという経歴の持ち主です。
自分の子育て感が一変したある「本」との出会いがきっかけで、
その本の著者である子育ての世界的権威であるシェファリ博士のもとで学ぶために渡米。
カウンセリングに関する国際的な資格「ファミリーセラピスト&コンシャスコーチ®公式認定資格」を取得後は、
「日本の子育てをラクにする」ために一般社団法人コンシャスペアレンツ・ジャパンを仲間と設立したパワフルな方です。
 
それだけでも素晴らしいのに、
シェファリ博士の来日公演を主催するためにクラウドファンディングを成功させたり、
時期を同じくして自らの経験と博士のもとで学んだことを統合して初の著書
 

独自のプログラムを日本のお母さんたちのために提供しながら、
この度は2冊めの本『男の子を大きく伸ばす方法 ダメにしない秘訣』(さくら舎)も出版されました。
 
 
この2冊を出版するまでには、どんなストーリーがあったのでしょうか。

 
--3人の男の子のお母さんとして、ご苦労も多かったと思いますが。
 
三男を憧れの自宅出産で迎えたのですが、そこからが大変でした。
その顛末と、たくさんの学びを経て、
「家族のつながり、親子のつながり」というところに行き着いて、
今までになく幸せや自由、豊かさにたどり着いた。
そんなことを2冊目の本では書いています。
 
--2人目のお子さんまでは、特に大きな苦労はなかった。
 
そうですね、わりと普通のたのしい子育てでした。
 
--子どもたちのために幼稚園を設立したと聞いていますが、どうしてわざわざそこまで?
 
わたしは子ども時代の環境にこだわりがあって、
シュタイナー教育や自然育児を取り入れて、「子どもを自然なまま育てて行きたい」という希望がありました。
 
ただそれを貫こうとすると、普通の幼稚園では飽き足らなくなったのです。
「子どもの魂にとって理想の幼稚園」を作りたいと若き日の私は思ってしまいまして(笑)
ママ友に声をかけて「いっしょに幼稚園を作ろう!」と話して幼稚園を作ったのです。
 
それも、無認可どころでなく、一軒家を借りて、大家さんに交渉して、
理想の保育をしてくれる先生を自分たちで探し、
かかるお金をみんなで割って立ち上げたんです。
 
--本当に自主的に立ち上げたんですね。
 
すごく単純に考えて、理想の先生、理想の園舎、理想の幼稚園を
仲間とミーティングを重ねて立ち上げたのです。それは次男が幼稚園に入る時でした。
 
2003年に立ち上げ、2011年に閉園するまでの8年間。
いわゆる「普通」ではない、「理想」を求めて立ち上げました。
 

●きっかけは「理想の子育て」

--幼稚園の設立から運営まで、どんな苦労がありましたか?
 
仲間が入っては去り、を繰り返したし、
最初の先生とは行き違いが重なり、4月中にお辞めになり、設立者の仲間も抜け、
自分たちで子どもたちを見守る「自主保育」がしばらく続いたのです。
 
私自身も追い詰められて、
「子どもたちのたいせつな幼児期を私がダメにしちゃった……?」
とすごく暗い数ヶ月を過ごしていました。
 
ようやく9月になると、本当に理想の保育をやってくれる先生が、ご縁があってやってきてくれました。
その先生が来てからというもの、子どもたちは見る見る変わりはじめたのです。
瞳が生き生きして、表現が豊かになり、遊びが深まり、安心して頼れる人がいる。
 
「この人はずっといてくれる人だ」
 
と子どもたちも思ったようで、そこから理想の園作りが始まりました。
 
--シュタイナー教育の経験を持つ先生だったのですか?
 
そうなんです、シュタイナー教育のベテランの先生だったのです。
シュタイナーはドイツの哲学者・教育者が体系立てた教育法で、
子どもの発達に応じて何が必要か、一つの基本的な考え方をもっています。
7歳までは、知的な刺激を避け、意思を育てる時期。
14歳までは感情を育てる。
21歳までは思考を育てる。
子どもにとって、魂が生き生きとするために考えた指導法だったのです。
 

●「理想の教育法」をもってしても手ごわかった三男の存在

--ところがその理想的なシュタイナーをもってしても、三男には苦労したと。
 
そうですね(笑)。
生後1ヶ月から怒ってばかり、泣いてばかりの子でした。
癒されるはずの赤ちゃんが…。
私自身も追い詰められていました。
 
1歳半の時、児童館に連れていくと、座っていた赤ちゃんをいきなり押し倒す。
その泣いた赤ちゃんを見て笑って、逃げちゃう。
そういう場面が家でもよくあったのです。
 
「善悪をどう教えたらいいの?」と思い、
あらゆる子育て本を読み漁り、累計200冊にもなりました。
それでも、「こんなときどうしたら良い」
ということまで書いてある本はなかったのです。
 
--それは大変でしたね!
 
「子どもは目を見てしっかり話せばわかります」とか
「お母さんの思いは伝わります」という論調が主で、
でもそれをやっても、やっても、ダメだったんです(苦笑)。
 
三男はパワーも意思も強くて、おもちゃが手に入るまでずっと大の字でギャン泣き。
毎日ヘトヘトで疲れきってしまう日々でした。
 
--2人の男の子を育てた経験のあるお母さんでも大変な状況だったのですね。
 
そうですね。本当にもう、親としても手こずるような……。本当に大変でした。
ちょうど夫の仕事も忙しくて、今でいう「ワンオペ」。
私自身も追い詰められていました。
 

●人生が変わったきっかけが「子育て」だった

 
--その大変だった育児が変わったきっかけは?
 
「どれだけ前世で苦労があったのか」
となぜか思ったんですよね。当時の私は。
 
スピリチュアルな世界はそれまで嫌って避けていたのですが、
あやしいというかフワフワしていて、やや引いたところにいたんです。
 
でも赤ん坊だったら一番かわいい1歳半の頃に、本当にかわいく思えない自分がいて、
「自分の母性が足りないのでは」とか
「妊娠中の過ごし方が悪かったんじゃないか」とか
いろいろ思い悩んでいたのです。
 
そのときふと、ある未来を予測してしまったのです。それは、
「このままだと、この子にとっても最悪の道もありうる」という未来です。
 
でも親ってやめられない。
「いっそこの子と心中しようか」とさえ思った。
でも上の二人がいるから、それはできない……。
 
なので、そのとき、この子とつながるには目に見えない世界、
「魂」のことを学ばないと、と直感的に思ったのです。
 
--なるほど。
 
そこからスピリチュアルな先生の下で体系的に学び、通い始めたのが三男が1歳半の時でした。
そして、子どもたちの魂と対話ができるようになったのです。
私の才能が開いて、ライフワークが始まりました。
 
いまはセッションやスクールも開催していますが、
その時の本当に困って悩んだきっかけが、今の仕事につながりました。
 

●シェファリ博士の本との出会い

 

--シェファリ博士との出会いはその後だった。
 
2015年8月、たまたま三男と映画を観にいった後のことでした。
心の葛藤やブレーキを乗り越えて、だんだんと自分の中の世界観ができてきたこともあり、
「そろそろ本を書きたい」と思い、リサーチをしようと大きな本屋で片っ端から本を手にとってみたのです。
 
これも違う、あれも違うと思い、最後に手にとったのが、シェファリ博士が出したばかりの
 
この本を読み進めるほどに、
「ここに知りたかったことが全部書いてあった!」と思ったほどでした。
それがシェファリ博士の本との出会いでした。
 
--まさに運命的な本との出会いだったのですね。
 

●悲劇が起こるのは「意識的でない」から

--シェファリ博士から学んだことで、特に印象的な教えや学びがあれば教えてください。
 
子どもたちに愛情はあるわけです。だからすごく苦しむし試行錯誤もする。
なんとかこの子とつながりたいと思うのだけど、それをシェファリ博士の言葉で言うと、
 
「ほとんどの親は善良で子どもに対して愛情深い。けれども、意識が欠けている」んです。
 
つまり、意識的ではないために、親子関係の悲劇が起こっています。
その悲劇というのは、親の方に「先祖代々の感情的負の遺産」が存在することが原因だったのです。
それを子どもの言動がトリガー(きっかけ)となって引き起こしているのです。
 
これまでの自分の試行錯誤を証明してくれた感じでした。
博士が裏付けし、後押ししてくれたのです。
「子どもの問題行動は全て、親や大人へのメッセージであり、サインです。」
という捉え方。
 
通常の子育て本は、子どもの成長発達、子どもがこういう場合は親はこうするとか、
「I(アイ)メッセージ」とか、すごく表面的!
 
「それで解決するんだったら、苦労しないよ!」
と思うことが山ほどあったのです。そんな綺麗事ではなく、頼れない。
 
魂の声を聞く、感情的な負の遺産を一つ一つ見ていくなどを通じて、
親自身が「本当の自分になっていく」プロセス。
一つ一つ叡智に触れるというか、子どもたちの魂と話してきました。
 
そうやって12年前、
「子どもたちの魂がいつも教えてくれている」
という世界観と重なったんですよね、みごとに!
 
でも国内でそれを言ってくれる人は一人もいなかったんです。本は散々読みましたが。
 

●先祖代々から受け継がれてきた「感情的な負の遺産」とは?

 
--いくつかたいせつなキーワードが出てきましたが、「感情的な負の遺産」についてもう少し解説していただけますか?
 
私たちは誰もが、親から、社会の文化から、ものすごく影響を受けています。たとえば、
 
・学校は行くもの。
・成績は良い方がいい。
・ご飯は残してはいけない(無駄にしてはいけない)。
・元気な子がよくて、おとなしい子は違う?
 
でもここには、理想と実際の違いがあります。
「感情的な負の遺産」でいえば、親自身が「いい子でなくてはいけない。しっかりしていないといけない」と言われて育っていたら。子どもがやんちゃで言うことを聞かない時に
「自分はいい子でちゃんと言うことを聞いてきたのに、子どもが言うことを聞かないと、ものすごく腹が立つ」。
 
まさに地雷を踏む。それがトリガーになるのです。
一見、言うことを聞かない子どもが悪いようですが、実際には親自身の「痛み」の問題で、そこに反応して、さも子が悪いと考えてしまいがちです。
 
「父親はこうあるべき」とか、
「母親は食事を用意すべきで、家族を暖かく迎えるものだ」とか。
いろんな価値基準に私たちは縛られている。
 
--男ならでは、女ならでは、親なりという価値体系がありますね。
 
それがあるからこそ、痛みに反応したり、そこに感情的な何かがあることを子が教えてくれるわけです。
そういうことをシェファリ博士の本は教えてくれて、今でも私のバイブルです。
 

●コンシャスな親のあり方とは?

--コンシャスとは「意識的、意識に上っている」という意味ですが、どういう教えでしょうか。
 
博士の画期的なところは、親としてやるべきことは「真の自分になること」だという提案です。
ちょっと他にはないと思います。それを教えてくれるのが子どもたちという存在だと。
 
--その後渡米して日本人初の資格を取り、博士の来日公演まで企画し、本も出すという。どこからそのエネルギーが出てきたのですか?
 
私とってすべては「魂の目的」のプロセスの一つに過ぎなかったのです。2016年4月、アメリカの有名な司会者オプラ・ウィンフリーのイベントに出るのを知り、会いに行きました。たった48時間しか滞在しませんでしたが、博士とホテルで出会えたのです!
そのとき、
「人を目覚めさせるために、博士の本をみんなに伝えよう!そして日本の子育てをラクにしよう!」
と深いところで思ったのです。1ミリの疑いもなく思えたのです。
 
--魂の声に突き動かされて、アメリカに行き、博士も呼んだし、1冊目の本も出したと。
 
なかなか書けなくて、想いが溢れ過ぎて、企画書も通らずに5年が経ちました。2018年の年末、悔しくて紅白も観ずに田舎にも帰らず、とりあえず原稿を作ってしまおうと。実はすでに来日公演のために会場も押さえてあったし、とにかく博士が来る前に形にしようと。でも出版社は決まっていない。だったら先に原稿を書いて持ち込もう!と思いました。
 
--そしてご縁があって、出版社の社長さんと出会ったと。
 
ある方が引き合わせてくれて、いろいろ話をする中で共感していただいて、そこで話が決まりました。
 
--来日公演が成功裏に終わり、本も出版が間に合い、クラウドファンディングで資金も集まり。そして2冊目の本も出した。
 
本当にいろいろありました(笑)
 

●男の子の子育てはいつまで?

--質問が一つ届いているのですが、ご紹介します。
「『長期的な視野に立ち、応援する』という言葉が心に響きました。男の子の自立を考えると、長期的というとき、いつまで見守れるか、いつまで応援できるか? どのように受容していけばよいのでしょうか?」
 
私の場合、高校生以上になったら、基本的には口出しはしないんですね。どんなにダラダラしていても、テスト直前でも、基本的には手を離している。年齢ではなく、魂が必要としていることを、必要なタイミングでするのが基本的な考え方なのです。
 
子どもが必要なとき必要なだけのことをする。それを見極められるようにするのがコンシャス(意識的)な子育ての目指しているところなので、見守り続けていく以上、親業に終わりはないのですが、
 
「ここでこの子は家から出さなければいけない」
という瞬間ってあると思うんですよね。
 
お金とか自活力とかそういうことでなく、「今追い出さないといけない」とか、それを見極めるのになるのが目指すところ。
そのためには、学びを深めていく必要があります。一朝一夕でなく、積み重ね。それこそが人生で、そこにおもしろさがあると感じています。
 
ノウハウがあるわけではなく、毎日発見があり、新しさがありワクワクする。
子そだては「本当に素晴らしい体験!と今は思っています。地獄を見てきただけに(笑)
 
--男の子に限らず、どんな人間関係にも起こりうることですね。
 
そうですね!
 

●内面を書くことのむずかしさ

--実名で自分の心の内面を書く。そこにはどんなプロセスが伴うのですか?
 
だから癒しが必要で、私が5年もかかった理由です。私自身、自分を癒し、許すこと。
 
良いお母さんでいたい、素敵なママでいたい、という願望があったので、そこを癒していったときに、はじめてオープンにできた。自分の傷つきやすさを出しても、大丈夫になれたから、書けたのです。ただそこに至る道のりは、私にとってはすごく深くて高い、道のりでした。
 
子どもの本のほとんどは、いいことしか書いていません。
 
こうすれば子どもの才能が伸びるとか、自己肯定感や自己受容感が高まりますとか。
いいことを書いた方が楽だし、私自身も最初はそういう企画書でした。
 
だけど、メンターにダメ出しされて、
「良いことをしてあげたいのに、できなくて苦しむお母さんたち」
を解放して、楽にしてあげたいという、自分がまさに必要としていることを、過去の私に向けて書いた本なのです。
 
本当に必要としている人にとっての「絆創膏」のように。そういう本にしたかった。
 
--まさに自分のミッション(使命)を本にした、そういうお仕事でしたね。
本日はありがとうございました。
 
[編集後記]
くみくみこと、たかもりくみこさんとの出会いは2010年ごろなので、実に10年のおつきあいになります。まだ当時は思い悩み、苦しんでいた真っ最中だったのでしょう。でも僕の記憶の中のくみくみは、今とそんなに変わらず、人の心の琴線に触れたり、言語化できない悩みに光をあてることができる才能の持ち主でした。原稿が書けない悩み、本が出せない相談も受けたし、僕自身も家族のことで相談に乗ってもらったことも。そいういう道のりの先に2冊の本があり、自分の道を見つけた人の清々しさが、ご本人からはあふれていたのが印象的でした。
 
『男の子を大きく伸ばす方お方 ダメにしない秘訣』
『子どもが幸せに育ち自立する頑張らない子育て』
という2冊の本が、
「日本の子育てをラクにする」ために、ますます共感を持って読み継がれていくことでしょう。
 
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