【出版】女の涙に……
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こんにちは。クリエイトブックスのオカビーこと岡山泰士です。
突然ですが、あなたは女性に泣かれたことってありますか?
男たるもの、そんなことあっていいのか!
という状況ばかりでもないんですが……、
(最初に断っておきますが…笑)
立て続けに僕の目の前で流れた「涙」のお話、第1話をお届けします。
●涙の理由
「そういえば、おばさまどうした? 入院したって聞いたけど」
ホテルでのビュッフェを終えて、僕たち3人は、ちょうど二重のオートドアから外に出ようとしていたところだった。東京駅から数分の隠れ家ホテルで、僕たちは何度目かの食事会を共にして、満足感に浸っていた矢先だった。
「それがね…」
そう言ったきり彼女は急に立ち止まる。
「ずっと意識が無くて起きないの……」
うちの奥さんが気付いて彼女の手を取ると、彼女の長いまつげの下の丸い瞳の端から、ポロポロそれはこぼれ落ちた。僕はそれを見て、激しく動揺した。
少し前に、彼女のおばさまが倒れて入院したと聞いてはいたけれど、彼女があまりに普通に振る舞おうとするので、逆に何かあるんじゃないかと感じてはいた。奥さんが「今日の彼女は顔が泣いてる」と言っていたので、ふと声をかけたのだが、その顛末がこれだった。
僕は奥さんから買ってもらったばかりの赤と白のストライプが斜めにプリントされたハンカチを彼女に差し出した。こらえようとしても、涙腺が震え、留まることなくあふれてくる。僕は彼女の背中をさすってあげることしかできない。
彼女がおばさまに小さいときから可愛がられていたこと、今でもおばさまの部屋の一室を借りてエステサロンを営んでいることを僕らは聞いていた。ときには母親以上に、助けになってくれたこともたくさんあったに違いない。そんな大好きなおばさまが、病床で生死の境をさまよっている。なのに、今は何もできない。
一年前にはお母様も交えた3人でイタリアのミラノ、フィレンツェ、ローマを旅したというのに、この急展開……。くも膜下にあふれ出た血液がおばさまの脳の言語領域や運動領域を襲ったのは、ダムの決壊のように誰にも止められないことだったのだ。
僕たちはホテルのロビーに戻って、とりあえずソファーに腰を下ろした。
奥さんは彼女の手をそっととり、両手で包んだ。
「おばさまもきっと聴こえているから、できるだけ病室に通って声をかけてあげるといいよ。その後どうなるかはおばさま次第だけれど、まだ生きたい理由があればいつか反応があるかもしれないし、もう疲れちゃったと思って、一足先にあっちの世界に行くかもしれない。」
「でも、どっちにしたって大丈夫だよ。私たちがいるじゃん!」
さんざん悲しみを流したからか、少しずつ笑顔を取り戻した彼女は、僕たちが銀座まで歩くと告げると、「一緒に行く」という。
きっと彼女の悲しみは、おばさまのことだけでもなかったのかもしれない。いろんな不安や変化を前に、戸惑う気持ちもあったのかもしれない。
「涙は究極のデトックス」
誰かが言っていた言葉をふと思い出した。そして唐突に、自分が避けていたことが何だったのかにも気付いてしまった。
そう、僕は長い間、感情にフタをしたままだった。流すべきものを流さず、沸き上がってきたものを素知らぬ振りで見殺しにする悪しきクセが身に付いてしまっていた。そのせいで、何を渇望し、何が唾棄すべきものかすらわからなくなってしまっていた。何を見ても心が動かず、人の気持ちすらわからなくなっていた。
スッキリした笑顔で歩く彼女を横目に、僕は自分が流すべきものが何だったのかを必死に思い出そうとしていた。
●神田昌典さんお勧めの文書術本
小説なんだかエッセーなんだか、それはともかくとして(笑)
ある「型」を意識して書いてみましたが、いかがでしたか?
尊敬するコンサルタントの神田昌典氏がおススメしていた
のなかで、著者の樋口祐一さんは「型」の重要性を説いています。
つまり「起承転結」をさらに発展させた、
(予告)→(エピソード)→(展開)→(まとめ)
の4ステップを踏まえれば、
無限に作品を生み続けることができると言い切っています。
もっと簡単に言えば「4コママンガ」と同じと言うのです。
ぜひ自伝や自分の経験をベースに本を書いている人は
「人の心を動かす文章」の第一歩に、この「型」を意識してみて下さい。
もしあなたが、
「文章で自分の想いを伝えたい」
「本を出版してみたい」
と思っているのなら、
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