売れる!本の表紙を決める5つのポイント

      2016/02/19

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こんにちは、クリエイトブックスの岡山泰士です。

前回ご好評いただいた「タイトルを決める5ステップ」に続き、
いよいよ「表紙のデザイン」です。

いま製作中の本「八ヶ岳の野菜が教えてくれた新しいフレンチ 寄り添う料理」。
今回、表紙のデザインは「コンペ形式」で公募しました。

その結果、わずか1週間の募集期間中に、
10人のデザイナーさんから合計36ものデザイン案をご提案いただきました!
この場をお借りしてまずはお礼申し上げますm(_ _)m

せっかくなので、この中からいくつかの提案をご紹介しましょう!

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いかがでしょう?
同じ材料、同じコンセプトでも、デザイナーさんによってこんなに多様で印象も違うものができあがるのが
コンペ形式のおもしろいところです!

これだけの表紙の中から、何を基準に編集者はセレクトしているのでしょうか?

実は「売れる表紙」には5つのチェックポイントがあるのです。
ここではその5つのポイントについて解説しましょう。

売れる表紙5つのポイント

①著者が伝えたい事(コンセプト)を表現できているか(タイトル+コピー)

著者さんには色んな思いがあって本を創る訳ですが、
もっとも大切な事、いちばん伝えたい事を「ひと言」で表現する必要があります。

著者へのインタビューを重ねる中で、「寄り添う料理」というタイトルが出てきたのは比較的早い段階でした。
素材の個性に合わせて味を引き出すことで、これまでに無い美味し料理ができるというフレンチの新スタイル
フレンチの新しい潮流として、地元産の素材の魅力を最大限引き出す料理
そしてその料理が確立されるまでのストーリーとは?

キャッチコピーは何日もかけて、何度も創り直し続けました……。
ギリギリまでシェフと話し合いを続け、何度も再提案を繰り返した結果、
最後、コピーはこうなりました。

「ホンモノの野菜、食べたことありますか?」
和フレンチの匠、八ヶ岳山麓の名店フレンチレストラン
素透撫(すとおぶ)のシェフが語る、野菜と塩と料理の話。
日本人にあう全く新しいフレンチがここにある!
フレンチシェフが発見した
新しい野菜の魅力と活かし方

いかがでしょう? 伝わっていますか?

特に最後の2行がなかなか決まりませんでしたが、
編集と著者が合意できるまでには(合意できる案が固まるまでは)
実は2、3週間ほどかかっています。

②色やビジュアル素材、文字のデザイン(書体)などで、第一印象を掴めるか(デザインその1)

料理写真はすんなり選べました。
シェフから送ってもらった写真の中から、
特徴が出ていて、看板料理となるものを選びます。
今回はデザイナーさんに多めに写真を渡し、好きに選んでもらいました。

また帯(コピーを乗せた部分)の色も大切です。
白、緑、赤、黒、水色、ワインレッド、そして写真を活かしたものなど。
色には感情的に訴える力がありますので、
醸し出したいものがなにか、それを伝えるにふさわしい色かを判断する必要があります。

③タイトルやコピー(宣伝文)など「文字」が見やすいか、分かりやすいか(デザイン2)

今回は写真がメインですが、そこにタイトル文字を載せると、どうしても読みづらくなりがちです。
かといって、いちばん「売り」の料理写真も伝えたい。
この兼ね合いをとるのがデザイナーの仕事です。

同時に、この本では下に「キャッチコピー+著者近影」を入れています。
最近はこういったデザインが多いのですが、
帯(本の表紙やカバーとは別に巻き付ける販促のためのもの)が無い代わりに、
帯的要素(キャッチコピーなど)を本の下部などに入れてしまうのです。

そうすると要素が多くなりますから、うるさくなく、シンプルに、きれいに、わかりやすく
というデザインとして目指すところと折り合いをつける必要がありますよね。
この辺りもデザイナーさんの仕事です。

で、結局、編集者は何を見ているかというと、
見やすさ(視認性)、分かりやすさ(理解しやすいか)、すっきり感(ゴチャゴチャはNG)、おしゃれさなど。
かなり主観的な感性の領域なので、できればたくさんの人の意見を聞いて(読者と想定する人の)、
人気だったものを採用する事も(僕の場合は)良くありました。

④たくさんの本の中で埋没しないか(書店効果)

書店で類似した本と一緒に並べられたとき、
きちんと際立っているか。目に留まるか。
おしゃれで、目立っているか(光っているか)。

アマゾンなどネット書店でも一緒です。
実用書であっても、僕はおしゃれなもの、デザイン的に優れているものが好みです。
ここも主観的ですが、人の意見も大切にして、最後はえいやっと決めてしまいます(笑)。

⑤忘れられない印象を残すか(書店効果2)

すぐに本が買えないとき
「あの本どんなだったかな?」
思い出せる本があります。

たとえば、赤かったとか、真ん中で「○○」という文字が印象深かったとか。
○○の写真やイラストを使っていたなとか。

印象(記憶)に残らないデザインは、あんまりインパクトがない訳ですから、
類書の中でも埋没しているでしょうし、本の存在そのものを忘れてしまいます。

これでは「あとで買おう」と思った人に買っていただく事はできません。
販売機会を逃します。結果、本の売れ行きに貢献できなくなるのです。
これでは、デザインの本来の目的からは離れてしまう事になります。

デザインで何を伝えているか?

先に書いた事とつながりますが、
売れる、売れないを左右するのは「タイトル」だったり「コンセプト」です。
と言いつつも、パッと見を左右するのは「表紙デザイン」です。

パッと見が良くないと、リアル書店でも、バーチャル書店(アマゾン、楽天ブックス)でも、
そして電子書籍でも、選ばれません。

「売れる表紙」かどうかを左右する3大ファクター(要素)の一つとして
デザイン(ぱっと見)があるのです。

タイトル(言葉)×コンセプト(骨格)×デザイン(ぱっと見)=売れ行き

と僕は考えています。

言葉は左脳に訴えます。
分析的で説得的で、検索キーワードとして重要です。

デザインは右脳に訴えます。
言葉より早く、刺激や反射レベルで直感的かつ感覚的にsomethingを訴えます。

コンセプトはもっと深いところ(潜在意識=脳幹)に訴えてきます。

「第3の脳」である脳幹は、波動やテレパシーによるコミュニケーションを行っており、
集合意識・宇宙意識を司っていると言われています。
あるベストセラー作家は「本は波動商品である」といってましたが、僕も同感です!(笑)

その著者が伝えたいと思っているもの、あるいは著者の存在そのものが放つ何か
それを「表紙」を通して伝えたいのですが、
まずは著者の意図や目的を編集者やデザイナーがきちんと汲み取り、
「表紙」を通して読者に伝える役割を意識してやれるかどうか、だと思うのです。

実のところ「コンセプト」というか「哲学」というか、
「著者さんがもっとも伝えたいもの」を
最終的に「言葉」という要素と「デザイン」という要素で代弁しつつ、
わずか縦十数センチぐらいの小さな四角いワクの中に上手にパッケージしつつ、
読者の心に訴求し、その心をわしづかみにし(笑)、
二度と忘れないぐらいのもの、夢中にさせるものにしたい訳です。

なんだか欲張りで、難しそうな話の様に聴こえるかもしれませんが、
これをやり続ける事で「売れる本」「話題になる本」となり、
ひいては著者と読者を結ぶ事にもなるのですから、毎回チャレンジ続きなのです。

長くなりましたので、この辺で止めておきましょう(笑)

まとめ

①著者が伝えたい事(コンセプト)を表現できているか
②色やビジュアル素材、文字のデザイン(書体)などで、第一印象を掴めるか
③タイトルやコピー(宣伝文)など「文字」が見やすいか、分かりやすいか
④たくさんの本の中で埋没しないか
⑤忘れられない印象を残すか(書店効果2)

 


 

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