あなたの「企画書」はなぜ通らない? 出版社の企画会議を通す5つの裏技!
2020/11/02
この記事は 0 いいね!されています。(以下はリニューアル後の数値です)
目次
■プロも頭を悩ませる「企画書」づくり
プロの編集者さんも頭を悩ませている「企画書」づくり。 すべての著者さんだけでなく、これから出版デビューしようという「著者の卵」にとっても、ハードルが高く感じられるかもしれませんね。 これまでにも何度かお伝えしてきましたが、ここでもう一度、なぜ企画が通りづらいのかをまとめておきましょう。傾向が分らなければ対策も打ちようが無いですからね! 逆に、きちんとツボを押さえておけば、対策が立てられるということでもあります。そのマル秘対策についても今回お伝えしましょう。
- 出版社にとって、出版=投資。採算が合えば投資しますし、回収が難しければ投資しません。あなたの企画書、プロに数百万円投資させるにふさわしいものに仕上がっていますか?
- ここ20年来、出版不況です。書店も出版社もたくさん潰れました。ただでさえ、出版社の倉庫には売れ残った「在庫」が多数ありますが、会計上「資産」と認められているので、うかつに処分できません。このような厳しい状況にあって、慎重に判断せざるを得ないのは当然なのです。
- 類書がたくさんある中で、あなたの本の「ユニークさ」はどんな点ですか? きちんとユニークさを演出した企画書を書くことが重要です。これまでの本との違い、企画書に入っていますか?→「企画書で大切な「ユニークさ」とはなにか? 」が参考になるでしょう。
- あなたの本の企画を通すための材料がきちんと揃っていますか? 5つのポイントを抑えていれば、あなたの企画書も「編集者が泣いて喜ぶ企画書」に変えることができます。→「出版社の編集者が泣いて喜ぶ企画書の書き方」が参考になりますよ!
- 自費出版、小冊子、電子書籍などでまずは自分のコンテンツを作り、自力で数千部から数万部の販売実績を積み上げます。出版社の編集者からみれば、「それだけ実績があれば、ウチならその数倍から十倍は売れるな」と思える訳です。書店流通に乗せたり、ブラシュアップの余地がみえれば可能性は大です! あとは出版権の問題さえクリアできれば、「インディーズ出版からメジャー出版」への足がかりを自ら作り出すことができるのです。→アマゾンでの出版を実現する「さくっとamazonから出版する方法」はこちらです。
いかがでしょうか? 面白そうと思えるか、ちょっとハードル高いなーと思うか、作家人生の分かれ目です。それでは続いて、著者と著者の卵のために、僕自身が経験したり、著者たちが実践して「成果=企画を通すこと」に成功した「5つの裏技」をご紹介しましょう!
■裏技その①出版社の社長(=発行人)と友達になる
新しくて元気な出版社では、僕と同じぐらいの年の社長さんが生き生きと仕事していたりします。
出版パーティーや、共通の知人を通じて、そんな出版社の社長さんと知り合い、友達になる機会は意外と多いもの。
別に下心がある訳ではないのですが、後になって
「そういえばこの企画、あの人のところに持っていけば喜んでくれそうだな」
という案件があれば、ご紹介してきました。
あるベストセラー作家は、あらゆるコネを活用して版元(=出版社)の社長さんと
友達になる活動を長年意識してきたといいます。
結局、決裁権は社長、または発行人が持っているもの。
社長が推薦する著者や企画が企画会議を通りやすいのは、自明の理なのです。
■裏技その②ベストセラー作家と友達になる
今ベストセラー作家と呼ばれている著者も、自力で今の地位を獲得したケースばかりではありません。
「著者になろう!」と志したその日から、
先にベストセラー作家になっている人のセミナーや講演会に積極的に参加して、
良い質問をしたり、素直に行動して結果が出たら
「ありがとうございました!」とご報告に行ったりして、
著者とお近づきになった猛者をたくさん知っています。
これも、成功している人ほど実践していました。
ベストセラー作家にご推薦いただけるのであれば、
出版社としてもむげには断れませんし、販促の材料にもなります。
■裏技その③出版エージェントと契約する
欧米では一般的な「出版エージェント」という存在。
世界的な出版社のほとんどが「エージェントを通して」企画を採用し、契約、出版に至ります。
「著者開拓などエージェントの仕事」といわんばかりです。
日本ではまだ一般的ではない「出版エージェント」という仕事、
これから日本でもどんどん発展していくでしょう。
なぜなら、どの編集者も忙しすぎて、新規著者開拓に手が回らないからです。
ただし日本ではまだまだ、頼れる存在が少ないのも事実です。
■裏技その④著者の買い取り部数を最大化する
あなたは自分で書いて出版した本3万部を買い取る勇気はありますか?
それが無理でも、初版5,000部のうち、3,000部ぐらいは買えないか真剣に考えてみましょう!
一番無難な例で言うと、大学の先生が授業で毎年教科書代わりに指定するというパターン。
たとえば毎年200冊コンスタントに売れれば、定価2000円の本の初版部数2000部は、
書店流通で売れる分とあわせて採算ベースに載せる事ができます。
このような計算が成り立てば、企画をゴーサインしない理由がなくなります。
■裏技その⑤広告宣伝費を払うと宣言する。または販促チームを自分で作り、計画準備をする!
もっとも成功した例は世界のベストセラー作家、ジャック・キャンフィールド。
『こころのチキンスープ』などを総計1億冊を売ったという伝説の持ち主です。
彼はマーケティングのプロでもあるので、各国ごとに販促チームを作り、
出版社と大きなプロジェクトを展開していきます。
その予算規模は、初版部数が数万部ぐらいでは回収できないほど!
広告宣伝のプロの仕事ぶりは、100%達成できるとは言えないかもしれませんが、
現実的で計算が高く、投入される時間やエネルギー、予算規模は、誰にもまねできないものでしょう。
もうひとつの例で言えば、「売れない」といわれ続けてきた電子書籍。
ミリオンセラーを誕生させたのは、やはりチームの力でした。アメリカ人のジョン・ロックは、
ミステリー小説、ウエスタン小説などを書きつつ、広報宣伝担当、
コピーライター、ウェブサイト担当などを雇いチームを作り、販促活動を行ないました。
そして、アマゾンベストセラー・ナンバーワンの座を得たのです。
『クビでも年収1億円』の著者、小玉歩さんは、
広告宣伝費を、受け取った原稿料以上に使ったそうです。
なぜかといえば、書籍はあくまで自分のブランディングのためで、
その後に高額なセミナーや教材、物販などを用意していて、
軽く費用回収できるビジネスプランをすでに持っていたからです。
■企画会議攻略の裏技まとめ
その①出版社の社長(=発行人)と友達になる
その②ベストセラー作家と友達になる
その③出版エージェントと契約する
その④著者の買い取り部数を最大化する
その⑤広告宣伝費を払うと宣言する。または販促チームを自分で作り、計画準備をする
具体名は出せませんが(笑)、本●健さん、鳥●祐一さん、吉●勝さんなど、
今をときめくベストセラー作家たちの成功へのプロセスは、
上記の一見裏技のようなことを複数組み合わせていました。
それができたのも、人間の行動原理を知り、地道な努力を怠らなかったからこそ。
加えて、
「上の人に引っ張り上げていただく」、
「横に支えられ、下の人に持ち上げていただく」
ということの大切さを良く分っている「賢者の選択」であり、
まさに王道とも呼べるものです。
結局は、人間関係ですよね。
また機会があれば、そんなベストセラー作家たちの戦略と成果についてお伝えしましょう。